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飯島利一

Author:飯島利一
授業づくりJAPAN(日本の誇りと歴史を伝える授業づくりの会)は独立国日本の再建を志す教師の会です。誇りある日本人を育てる授業を実践し、全国の同志と支え合います。国を思い先人に感謝し卑怯をにくむ日本人、日本人の自由と真実を守るために戦うことのできる日本人を育てます。

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〈授業展開3〉「建国記念の日」を忘れた日本人?

◎戦後の法改正 建国記念の日
その2では、GHQの占領下における祝日法の制定について学びました。とりわけ、国民の熱望した建国記念の日をGHQが認めなかったのは、占領方針が「民主化」といいながら日本の伝統・文化を断絶し、アメリカの脅威にならない日本人に改造するねらいがあったためだと、理解できました。

日本は、昭和27年4月28日に主権を回復し、6年8ヶ月に及ぶ占領から独立しました。これをうけて、建国記念日を設けようという紀元節復興運動が湧きおこります。

〈問題5〉建国記念日設置の法案は、日本が講和条約を結んでから、何年たってから成立したでしょうか。
(イ)3年後 
(ロ)5年後
(ハ)10年後 
(ニ)15年後


国民がずっとのぞんでいたのだから、すぐにでも成立したのではないかと思いますが、じつは正解は(ニ)、15年後です。昭和41年のことでした。この年の第51回通常国会で、体育の日と敬老の日といっしょに法案が通過し、ようやく成立したのです。

ここまで年月を必要としたのは、米ソ冷戦構造のなか、法案成立をめざす保守勢力と革新勢力が対立し、国会が混乱状態にあったからです。各政党の建国記念日の日取り案を見ると、法案は成立したものの、建国記念の日をいつにするかをめぐって、いろんな議論があったことがわかります。

 《資料》各政党の建国記念の日 日取り案
 ①自民党 2月11日説 神武天皇の即位伝承にちなむ
 ②民社党 4月 3日説 聖徳太子の十七条憲法の制定にちなむ
 ③社会党 5月 3日説 現行憲法の施行にちなむ
 ④公明党 4月28日説 講和条約発効にちなむ
 ⑤共産党 真の建国は人民が将来に闘いとるべきもの
                              (所功氏による区分)

①②が先祖伝来の歴史と伝統を尊重する立場、③④が戦後に新しい国家が誕生したと見る立場です。⑤はいまだ建国に至っていないと理解するのでしょうか。紀元節にあたる①の2月11日以外は、すべて新しい考え方を根拠にするものです。

最初に確認したように、祝祭日とは、その国らしさ(国柄)、歴史や文化を表すものであり、自分たちの国の来歴、公的な記憶(パブリックメモリー)を再確認する意味があります。①以外の案ではいずれも戦前の公的記憶は受け継がれなくなってしまいます。そして今、我われ日本人は国民の祝日をみんなで祝い、喜びを分かち合うことをしなくなってしまいました。

◎祝祭日を忘れた日本人 まとめ
最後に、今日学んだことをまとめしましょう。GHQの占領をきっかけに、私たちは祝祭日を大切に過ごすことの意味を忘れてしまった。それはつまり、先人が育んできた歴史・文化などの公的な記憶を、さらに言えば国民として心のよりどころとなる精神を失ってしまったことを意味します。

GHQの占領によって日本人は解放・自由を獲得した、というイメージが根強くあります。しかし実態としては、占領によって日本の歴史・文化・伝統が歪められたという視点でとらえることが大切です。次の《資料》ミラン・クンデラ『笑いと忘却の書』を読めば、説得力をもってGHQのねらいが理解できます。

《資料》ミラン・クンデラ『笑いと忘却の書』
一国の人々を抹殺するための最初の段階は、その記憶を失わせることである。
その国民の図書、その文化、その歴史を消し去った上で、誰かに新しい本を書かせ、新しい文化をつくらせて新しい歴史を発明させることだ。
そうすれば間もなく、その国民は、国の現状についてもその過去についても忘れはじめることになるであろう。 


われわれ日本人は、このままでよいのでしょうか。
皆さんは今日の授業で学んだことをふまえて、次の問題に答えて下さい。

〈問題6〉平成19年に新たな祝日が制定されましたが、何の日か、知っていますか。4月29日の祝日です。
(イ)みどりの日 
(ロ)平和の日
(ハ)昭和の日 


正解は(ハ)昭和の日ですね。祝祭日の意味を忘れたわれわれ現代人にとって、いわゆるゴールデンウィークの1日にすぎないこの日を、何の祝日か知らなかった人も多いのではないしょうか。昭和天皇の誕生日だった4月29日が、みどりの日から昭和の日に変わったのです。昭和の日には次のような思いが込められています。

【ポイント6】 
昭和の日=激動の日々を経て復興を遂げた昭和の日々を顧み、国の将来に思いをいたす日


せめてこの日は、例えば今日の授業で学んだように、何かテーマを見つけて激動の昭和という時代をじっくりと振り返ってはどうでしょうか。


☆おもな参考文献
①薗田稔・所功・加瀬英明ほか『日本の祝祭日を考える』てんでんブックレット3展転社(H6)②高橋史朗『検証戦後教育』広池出版(H7)
③高橋史朗『歴史の喪失』総合法令(H8)
④『近現代史の授業改革5「日本の占領」これだけは教えよう』明治図書 (H8)
⑤井尻千男「主権回復を創設する秋」『発言者37』(H9)
⑥坂本多加雄『歴史教育を考える』PHP新書(H10)
⑦産経新聞取材班『祝祭日の研究「祝い」を忘れた日本人へ』角川one テーマ21(H13)
⑧所功『「国民の祝日」の由来がわかる小事典』PHP新書(H15)
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